kotoko’s blog

映画や本の感想。「内容」にはオチまで書きます。

アナと世界の終わり

内容

クリスマス前日。

アナはイギリスの女子高校生。母親を亡くして父親と二人暮らし。ジョンは”父親が車で一緒に学校に連れて行ってくれるような仲”。ださくて可愛いクリスマスツリーのセーターを着ちゃうジョンは、いい奴だけど学校のいけてる子たちにからかわれるような存在。そしてアナは、ひそかに大学に進学せずに高校を卒業したらこの街を飛び出して海外に住みたいと夢見てお金をためている。猛反対の父親。父親はアナの高校で用務員をしている。

ここは悪い街じゃない、でも、息がつまりそう!外に行きたい!Break Away

学内で変人扱いされているLGBTQのステフ。お喋りでボーイフレンドのクリスが大好きなアナの親友リサ。マニアックな映画を撮るのが趣味のクリス。王様気取りの嫌な奴ニック。こんなんじゃダメなんだ、でもどうしたらいいんだ、と密かに悩んでいるジョン。学食にいる生徒たちみんな、長い人生のこと、歌や映画や小説みたいにはならないことをわかっているのにウソをついて生きている。No such things as a Hollywood ending

学内は狭い世界で威張り散らしている四角四面な時期校長サヴェージが仕切っている。彼が張り切って準備しているクリスマス会で、リサはクリスマスソングを歌うことになっているが、学内ブログを削除されたステフはクリスに一緒にクリスマスの施しを撮影しにいってほしいと頼む。リサが歌うまでには必ず戻ってくるよ、とクリス。

ペンギンたちのラップソング。お魚大好き!「4か月も毎日練習したのに!!」

だがリサの素敵な歌(マッチョなメンズが脱ぐ)(教頭激怒)にクリスは間に合わない。クリスのおばあちゃんだけがニコニコとリサの歌を聴いていてくれた。

クリスマス当日。

アナはすがすがしく新しい朝を迎える。ジョンも前向きに朝を迎え家を出る。Hey, it's a brand new day. And I'm miles away!準備はできてる!墓場で落ち合う2人。だが、その背後はゾンビたちで満たされている。一夜のうちに、街はゾンビにまみれていた。ゾンビに気づく二人。どこかに逃げないといけない、とバイト先のボーリング場に逃げ込む。

そこには、クリスとステフも逃げ込んでいた。テレビのニュースが、この事態は世界的な規模のものだと告げる。軍が救援に乗り出していて、学校に救援に向かっているという。でも、どうやって移動したらいいの?4人はひとまずボーリング場に立て籠もる。人の声が聴きたい。自分を置いてクリスマスの旅行に出ている両親のことを、もうあきらめているとクリスに告げるステフ。クリスも本当はリサはもうダメだと思っているんでしょう?本当に再会できると思ってる?と問い詰める。思ってるよ。信じてる、とクリス。

ボーリング場にもゾンビが押し寄せ、ついに学校まで向かうことを決意する4人。ビニールプールをかぶってなんとか突破しようとするもゾンビに囲まれてしまうところに、ニックたちいじめっこ集団に遭遇。ニックたちはゾンビ狩りを楽しんでいる。I'm soldier at war!ゾンビ殺しならクラスでトップ!

一方学校では、リサやクリスのおばあちゃんたちが籠城していた。なんとか理性的に過ごしているが、限界がやってくる。外に出ようという保護者たち。サヴェージは小さな王国の王様として仕切ろうとするが、その小ささを指摘されてしまう。

ニックたちが合流したアナ一行は、学校を目指して近道となるモールを抜けるが、その最中にジョンがアナをかばってソンビに襲われてしまう。ジョンを失った悲しみを力に前へと進むアナ。学校に到着すると、サヴェージによって導き入れられたゾンビたちに学校は占拠されていた。父親を探すアナ。クリスは無事にリサと再会するが、おばあちゃんは心臓の発作で亡くなってしまった後だった。ニックはアナに父親を殺したと告白する。ゾンビに噛まれた父親に「ひとつだけでいいから正しいことをしろ」と言われてバットで殴り殺した、と。

いかれたサヴェージによる独裁Nothing's gonna stop me now.

校内にあふれるゾンビたち。ステフは校内に停めている自分の車のカギを持ってくるからそれでみんなで逃げようと提案するも、ステフを無事に逃がすために陽動をしたクリスとリサはゾンビに噛まれてしまう。やっと見つけた友人を目の前で失うステフ。リサと抱き合ったまま、そっとステフにうなづくクリス。ステフは、車をめがけて駆け出す。

父親と再会したアナ。ステージの上で縛られている父親。狂ったサヴェージ。ゾンビたちの襲来。アナはなんとか父親の元にたどり着き、サヴェージをゾンビの群れに落とすが、父親もまた噛まれてしまう。父親に「手伝ってほしい?」と問うアナに「絶対にダメだ」と止めるニック。ニックとアナは、ステフの車がくると信じて校舎の外へと飛び出す。

私の信じていた輝く未来はどこ?世界は変わってしまった。私のあの人生はどこ?ああ、でも、私はまだ生きている。希望がある。私は信じている。

ニックとアナの目の前に、ステフの車が来る。「次はどこに行く?」END

感想

曲を聴きながら内容を思い出して書いていたら長くなってしまった。最初のゾンビが出るまでの間、このままアナの青春映画でも構わないよ!!と心から思った。歌が良い。負け組な感じも良い。勝ち組も所詮いなかの小さな学校の中の勝ち組じゃん、という感じがまたよい。青春時代の閉塞感。嫌いじゃない、でも、出ていきたい、という切実な感じがすごくすごく良かった。

が。

ゾンビが出てきてからも最高に良くてね~~~~!!!!

やっぱりゾンビ映画は良いものだなって思いますね。しかも青春映画でミュージカルなんだから、これはもう無敵なんじゃないだろうか。

しかし登場人物の関係がつかみにくくて。最初はジョンはアナのBFだと思っていたし、ニックがアナの元カレだとか全然わからなかった。英語ネイティブだったら察知できる感じだったのかなー。ステフがLだってことをことさら大げさに扱わないところも良い。友だちになれそうになったクリスが無常にやられるとこも良いし、ジョンがあっさり退場するところも良い。さすがゾンビ映画。こうでなくちゃな。

んでもって、なんてったって、ニックの歌が良い~~~!!!!!

あんな糞野郎なのに。歌う時にはまだ糞野郎のままなのに。歌がかっこいいからかっこよくなっちゃう!!やっぱゾンビと戦って勝てる男が真の男だよ……(ジェンダー問題発言)あと、まあ、糞野郎としては最上級のサヴェージがいますからね…この映画には……。サヴェージの歌もいいんですけどね……。

アナの世界に救いはない。でもアナは生きている。呼吸をしていて、希望があるから進む。どうかどうか、生き延びてほしい。どうなるかわからない世界の終わりにおいても。

はーー。また観たい。今年一番の映画だな、いまのところ。