kotoko’s blog

映画や本の感想。「内容」にはオチまで書きます。

DTC

ハイロー愛。

内容

ダンテッツチハルはお金もないのに3人でツーリング旅に出る。なぜなら自分たちの将来のことを考えたら頭がバーンとなったから。お金がつきてたどり着いた温泉宿で住み込みの仕事をさせてもらいつつ、その宿の、女将と番頭の恋をとりもつドタバタ人情ハートフルコメディ。まったく殴り合わないし、タイヤはそれほど太くない。

感想

ダンテッツチハルだったら圧倒的にテッツ推しなんですけど、ダンさんの、愛ちゃんへの寄り添いっぷりが本当に本当に優しくて素晴らしくて、ダンさんもそりゃ嫌いじゃなかったけどこんなの好きになっちゃう、突然下の名前で呼ばれてないのに好きになっちゃう、いやほんと、この脚本書いた人すごいな、これをこんなに自然に演じる山下健二郎すごいな、って、2人で中庭眺めてるシーンをみながら思いました。

話自体は退屈。でも、まず冒頭の彼ら3人が、ハイローシリーズで送った激しい日々は特殊な体験で、その後の仕事してただ生きる退屈な日常こそが人生なんだよねってことに向き合いそうで向き合わない、目をそらしたい、でも、でも、ああ、現実~~~!!って動機で旅立つのが、最高だったので、全部良い。映画なんて掴みとラストシーンが8割じゃろ?

つか、チハル!あんた、鬼邪高校卒業してその仕事に就いたの?!すごくない?!?!

正直女将と番頭はどうでも良かったのでプロポーズシーンはかなり鼻をhjhjしながら観ていたのですが、女将がスっとどいたら愛ちゃんがいて、愛ちゃんにプロポーズした時、泣けて泣けて泣けて泣けて。あーーーくだらなくねーーなーーーもーーーー(完敗)みたいな気持ちになりました。

 

ハイローはヤンキー殴り合い文化の底に流れる根本的な貧困とか、狭い世界とか、その中で(だからこそ)育まれる「地元愛、仲間愛(を誇る気持ち)」を照れずに描いていて、そこが好きなんですけど。琥珀さんがMUGENを卒業していく仲間を受け止められなかったみたいに、今回はDTCの3人が地に足をつけて地味に生きていく自分のこの先の人生と、ひょっとして、つまずいて、る?え?この先の人生はもしかしてずっとこの平穏で何もない毎日なの??って現実を正面から受け止めきれていなくて、最終的にそこは別にどこにも着地しないんだけど、受け止めきれてないよって描写から始まる、っていうのが間違いなくハイローシリーズと地続きの成長物語で、やっぱりちゃんと面白い映画でした。退屈でもあるけどね!!(テーマ曲と共に鬨の声をあげて長回しの中を全力ダッシュで殴りかかったりしてくれないから)