kotoko’s blog

映画や本の感想。「内容」にはオチまで書きます。

スパイダーバース

内容

警官の父と看護婦の母によって厳しく育てられている少年マイルズ。仲間がたくさんいる地元の公立学校ではなく、抽選で受かった私立の全寮制の学校に通わされている。壁にアートを描くのが大好きなのだけれど、それを理解して支持してくれているのはアーロンおじさんだけ。父親はアートも認めないし、おじさんのことも評価していない。世間ではスパイダーマンが活躍しているけれど、警官の父親はスパイダーマンのことも認めてはいない。

ある日マイルズはおじさんに教えてもらった地下の良い感じの壁のところでクモに刺される。手や足が壁に貼りついて取れない!なんだかわからない!

一方地下ではキングピンが時空をねじまげようとしていた。それを止めようとするスパイダーマン。その戦闘に居合わせてしまうマイルス。スパイダーマンはしかし敗れ、死んでしまう。マイルスにUSBメモリ的なキーを残して。

悲しみに包まれる街。預かったキーを壊してしまったマイルスも途方に暮れてスパイダーマンことピーターパーカーの墓へと足を運ぶ。そこに現れるピーターBパーカー。違う世界線のピーターパーカー。中年で、MJと離婚し、お腹の出てきたぱっとしいないピーターBパーカー。やがて彼はマイルスをスパイダーマンとして育ててくれるが、マイルスはスパイダーマンとしての力を受け止めきれずにアップアップになってしまう。

キングピンは、彼の悪行を知って家を飛び出した妻と子を交通事故で失っており、その世界線を捻じ曲げて妻子を取り戻すために時空を操ろうとしていたことがわかる。

キングピンの時空捻じ曲げによって現れる、他の世界線スパイダーマンたち。いかした金髪の転校生女子、スパイダーグウェン。カトゥーン子豚のピーターポーカー。モノクロの世界からやってきたスパイダーノワール。シャパニメーション的なスパイダーロボとその操縦者のペニーパーカー。

だが実はキングピンの一味にアーロンおじさんがいることを知るマイルス。彼との対決を躊躇する。アーロンもまたマイルスを殺せない。だがキングピンの無慈悲な銃弾がアーロンおじさんを殺してしまう。

混乱するマイルス。だが、異なる世界のスパイダーマンたちとともに、マイルスはキングピンのマシンを使って彼らを無事に元の世界線に帰し、残ってマシンを破壊するために立ちあがる。

感想

面白かったー。とにかく視界がずっと楽しい。ピントの誘導の仕方、スピード感、何もかもが素敵だった。アメコミ調のドット表現がちょっと気になったけど、それも楽しい。

そして異なる世界線からくるスパイダーマンたちのそれぞれのテンプレ的な自己紹介のかっこよさ。面白さ。最高に興奮した。

事前にペニーパーカーが可愛いと聞いていたのだけれど、私はピーターBパーカーが一番好き。スウェットのズボンを履きっぱなしのところもたるんとしたお腹も最高。世界を救うヒーローが、プライベートで冴えないことだってあるんだ。

「大いなる力には大いなる責任が伴う」

マイルスと一緒にそれを学ぶ時間はとっても良いものでした。マイルスとその両親がまたよくて。パトカーで送って「お父さんにアイラブユーを言え」ってスピーカーで言うところも、アーロンの死を告げられないところも、そもそも私立の学校に通わせていたあたりとかも、息子への愛情が本当に伝わってくる。その空回りも、マイルスが受け止めつつしっくりいかないあたりも、丁寧でとても良かった。