kotoko’s blog

映画や本の感想。「内容」にはオチまで書きます。

アド・アストラ

内容

伝説的な宇宙飛行士の父親をもつロイはいつでも心拍数が80を超えることがない、強靭な精神を持つ軍人で、軌道衛星(?)の施設で働いている。大切なのは「重要なこと以外に必要以上の関心や感情を持たない事」。そうして彼は出ていく妻さえも深追いすることなく生きていた。あるとき、強烈なサージが地球を襲う。屋外作業をしていたロイも落下するが、持ち前の冷静さで落下中も管制に連絡を取り、姿勢を制御し、パラシュートを開き、そのパラシュートに落下物が当たって破れてもなんとか生還する。

生還したロイに、軍は地球を発った父親のリマ計画の反物質が先日のサージに関わっていることが予想されるため、火星にいって海王星付近にいる父親にメッセージを発信するようにという極秘の特別指令を出す。

自称監視係で元父の同僚であるプルーイットと共にまずは月に向かうロイ。しかし月は採掘資源を巡る紛争地帯となっており、共に火星に行くはずの護衛もプルーイットも失ってしまう。ロイは1人、火星を目指す宇宙船ケフェウスに同情する。

道中SOSを受信したケフェウス。無視することをロイは進言するが、船長は宇宙船の義務だからと発信している宇宙船に向かう。行ってみると、その中では実験動物(大きな猿?)が乗員たちを殺しており、船長も襲われてしまう。ロイはなんとか船長を伴ってケフェウスに戻るが、船長は命を落とす。

ケフェウスが火星に到着しようとする瞬間、ふたたびサージが起き、船が故障してしまう。着陸態勢に入っていたためロイは手動での着陸を船長代理に指示するが、怖気づいた代理は動けず、ロイの手によってケフェウスは着陸する。

ロイたちを出迎えたのは火星生まれの司令官ヘレンだった。ロイはそこで海王星付近にいる父へのメッセージを録音する。録音の内容は軍によって用意されていたが、2度目の録音の際、ロイはかつての自分は憧れの父親のようになるために、どんな時でも感情をコントロールできるようになったことなどを思い出し、自分の感情で自分の言葉で父に語りかけ、それによってその役割を降ろされてしまう。

ヘレンはロイに「自分の両親はリマ計画に参加していた」と告げる。そしてロイの父親からの極秘のメッセージをロイに見せる。そこには、反乱が起きたために一部区画の生命維持装置を停止したこと、そこには無実の人々も含まれていたことが語られていた。ヘレンは自分の両親もまたこれによって殺害されたと告げる。

ケフェウスが核兵器を搭載して海王星へと向かおうとしている、ロイは任務をはずされたがそれに乗り込み海王星に行くべきだ、と告げるヘレン。ヘレンの協力でロイはケフェウスに潜り込むことに成功する。が、そこで乗組員たちと争いになり、ロイは全員を殺してしまう。

海王星に到着したロイは、リマ計画のステーションで父親に再会する。父親は、反乱でステーションの反物質装置が暴走してサージが起きていること、1人でどうにかしようとしていたことを告げる。ロイはケフェウスで運んできた核兵器をセットし、父親と共に脱出するが、父親はロイとつないでいたケーブルを切り離し、宇宙の藻屑となることを望む。

ロイは核爆発の力を利用してケフェウスを発信させ、地球へと帰還する。父親のたどり着いた結論は、太陽系のどこにも知的生命体は存在しない、というものだった。生還したロイの目に、去っていったはずの元妻がうつり、ロイは涙する。

 

感想

おっもい!いま内容を思い出しながら書いていたら、なんかすっごい良い話だったんだなという気持ちになってきたけれど、とにかくテンポが重たくて、全ての「間」がふんだんなので気絶しそうになってしまった。ブラピのまつ毛、濃いなーーーとか、年取ったなーーー、とか、そういうことを考え始めてしまう。

あと、ロイを逃がしたヘレンの処分が心配です。

しかし、たったひとりで広大な宇宙を目の前にしてステーションでサージをどうにかしようと奮闘する父親も、そこから一種の絶望と共に帰還するロイも、その「宇宙」という孤独と対峙するのすごいなー。

その壮絶な孤独に対峙したロイが最後「人として大切なものはなにか」みたいな結論として愛というか妻というか、そういうところに辿り着くのがまったく好みではなかったな。そうなんだろうけどさ!わかるけどさ!犬とか……